瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

こころざし 深き人には いくたびも あはれみ深く 奥ぞ教ふる (利休百首より)

♪ 羽 鐶 箸 香合 釜のふた
   鐶かけおきて 釜しきを出す
   炉掃いて 下火なおして 灰蒔いて
   掃いて 炭つぎ 掃いて 香焚く
 
15cm四方ぐらいの白い和紙に、こんなふうに、筆で書かれたものが出てきた。
これは、裏千家茶道の初炭手前の手順を、覚えやすくしたものだ。
昔、こっちがあまりに出来ないんで、稽古中に、師匠が懐から紙を取り出して、筆でさらさら書いてくれた。
みごとな白髪をキッと結った、明治生まれのこの婆さんは、小柄ながら、当時、東京一おっかないと言われていた。
師匠の前で、緊張で手が震える弟子もいる中、こっちは何故かのびのび出来て、一度もおこられることはなかった。
出来の悪い子ほど可愛いって言うけど、こっちはよっぽどだったようで、さっきのと同じような紙が、うちには4枚残っている。