瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

ひめ暦

ひめ暦を書きはじめて、丁度十年になります。
和紙に墨で一枚一枚書いた旧暦の、ひめくり暦というスタイルは、最初から変わっていません。
ひめくり暦を略して「ひめ暦」であり、やや小ぶりな可愛い姿から、petit calendarの意味の「ひめ暦」でもあります。
毎日書いていると逆に気付かないのですが、めくる時、ほんのり墨の香りがするといいます。
各月のはじまりには、浮世絵から飛び出したような色絵をしのばせ、趣を添えました。
とじひもは、ざくっと撚った太い絹糸を、紅花で染めてあります。
色上がりは毎回微妙にちがいますが、つややかでどの色も捨てがたいのです。
ひめ暦を手にした方にお願いします。
どうか、毎日めくってほしいのです。
もったいないなんてことはありません。
その一枚をめくることが、あなたの大切な一日のはじまりなのです。
今日も良き日になりますようにと、瞳堂酒人は願っております。