瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

西山

まわりは建物だらけだけど、唯一、西の方のビルの間に、ほんの少し山が見える。 京都の友達が病気だと知ってから、毎日、その山を見るようになった。 あいつの住む街の方角に、その山があるんでね。 朝起きて、山がスッキリと見えると、今日は少しいいのかな…

包丁

包丁は、切れなきゃダメだと思ってた。 だから、包丁を研ぎ、味覚を研ぎ澄ますんだ。 美味い料理を作るためにね。 でも、実のところ、美味いって言わせたいだけじゃないか。 随分と、薄っぺらなことをやってきたもんだ。 婆さんが、切れもしない包丁でこしら…

声は良いにこしたことはない。 良いったって、どういうのが良いのかって話だけどね。 よく言う、鈴をころがしたようなってのが一番良いとも限らない。 少し鼻にかかった声もいい。 あと、すこーしかすれた声も好きだ。 いわゆる、佃煮を売らせたくなるような…

自分

他人の心はわからない。 分かったところで何になる。 自分の心も分からないのに。 他人の姿は見えるけど、自分の姿は見ることができない。 鏡があると言うけれど、映るのは、見ようとして見る姿だから、いつもの自分の姿ではない。 結局、一番わからないのが…

多生の縁

袖すりあうも多生の縁っていうね。 往来で袖がふれあった程度のことすら、前世からの縁あってのことらしい。 縁ってのは不思議だ。 どうしたってそうなっちゃうんだから。 例えば、何かの集まりで、好き勝手に席に座るとする。 お互い初対面同士で、どういう…

琵琶湖周航の歌

人生の大先輩たちの会合に顔を出させてもらって、しょっぱなに『琵琶湖周航の歌』をみんなで歌った。これ、知ってるけど、歌うのは初めてだ。 ♪我は湖(うみ)の子 さすらいの 旅にしあれば しみじみと 昇る狭霧(さぎり)や さざ波の 滋賀の都よ いざさらば…

つまみ食い

「一番好きな食べ物は?」っていうから、「つまみ食い」って答えたら、「それは、食べ物の種類じゃない」と言われた。 そりゃそうだ。 でも、つまみ食いが一番だな。 料理しながらつまみ食いして、出来上がりが半分ぐらいになることもある。 そのかわり、食…

モテる

何かをする動機の一番は、「モテたいから」だろう。 この動機は、不純どころか純粋無比だ。 とくに若い男の動機のほとんどがこれだ。 女子の動機はどうなんだろう。 男ほど単純じゃないのかもね。 年とっても、モテたいって気持ちはあるんだろうけど、ナニが…

割り振り

人生、いたるところに出会いがある。 すばらしい出会いがあれば、とんでもない出会いもある。 派手にあらわれる者あり、地味にあらわれる者もある。 これはって人と、すばらしい出会いに恵まれても、「どうして今なんだ」ってタイミングもある。 こっちの都…

成仏

死後、魂がちゃんとあの世に行くことを『成仏する』って言う。 でも、多分、成仏できない魂であふれているね。 生きてる間に、ちゃんと自分のことが分かって、人の気持ちも分からないと、何が起きても納得が出来ない。 納得できない状態で死んだら、どうした…