瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

旧暦誕生日

月の満ち欠けと、体調および心のありようの関係は、潮の満ち引きと、血潮の満ち引きの関係に対応してるらしいということは、不便利帖の考察の結果分かってきたことだが、ただ、それだけのことならば、満月の夜には全員が欲情するという、分かりやすい世の中…

大仏

少し前に、奈良に行ってきた。半分は遊びだ。前に行ったのが相当昔で、車窓の風景も新鮮に感じたが、多分、昔と変わっていない。平城京の時分からも、それほど変わっていないだろう。奈良公園には鹿がいた。鹿がそこにいるという景色は、よその街の人間の目…

煮干し

だしを取る素材は、地方によっていろいろある。うちの方は、かつぶしが多かった気がするが、今はいろいろ流通してるから、あれこれ使う。もう何年も前の年の暮れに、女房の里に行った時、義母がこさえてくれた年越しそばが、何かすごく繊細な味で、美味かっ…

化学調味料

白い魔法の粉。かければ何でもおいしくなる。うちにもあるけど、あんまし使わないから、しけって固まっちゃってる。お店で買って来た食べ物には大概入ってるみたいだ。でも、入れないとどうなるんだろうか。多分、不味いんだろうな。不味い食べ物って、どう…

上弦の月

今日は旧暦七月八日で半月。きれいに見えた。その形を弓にたとえて、弦(つる)が上に見えるから、上弦の月という。去年の不便利帖の旧暦八日の、心のありようを読んでみると、3/15「気分は中」、4/13「ニュートラル」、5/12「整える」、二ヶ月とばして、8/8…

天の川

今日は旧暦七月七日、七夕だ。秋めいてきて、どこかで虫も鳴きだした。空も澄んでいる。雲もない。まさに七夕日和なんだが、天の川がそこにない。今日に限ったことではない。一年通して見えないし、子供の頃にも見たことない。一度だけ見たのは、9月に新潟…

暗渠

覆いをした水路のことを暗渠というが、その字面も、アンキョという響きも、何か不健康な感じがする。裏原宿の、おしゃれなショップの並ぶキャットストリートは、何故かうねっている。昔、渋谷川(隠田川)が流れてたからだ。東京オリンピック前に暗渠化され…

ろうそく

畳の部屋で正座して、木の書見台に向かい、ろうそくの光で本を読んでいる人の図を、目にしたことがある。昔の暮らしは簡素で、家の中にもあんまし物がない。その上、ろうそくの光の届く範囲はごく狭いから、本しか目に入らないし、ろうそくの火のジーッと言…

満ち引き

生命の起源は海にあるって言うね。海の中に発生した命が進化して、海に残る生物と、海をはなれる生物に分かれた。何があったんだか知らないが、すごい勇気だ。エラ呼吸をやめちゃうんだから、大冒険だ。この無謀とも言える決断に当たり、海を去る危険をどう…

閏月

今年の旧暦の七夕は8月26日で、盂蘭盆は9月3日だ。旧暦は新暦よりも1ヶ月ぐらい遅れるとは言うが、いくら何でもズレすぎじゃないか。その理由は閏月(うるうづき)にある。閏年は誰でも知ってる。1年365日のところを、4年に一回、一日増やして1年…

茶がら

たいして広くもないし、ごちゃごちゃしてるから、掃除はほうきの方が小回りがきく。きゅうすから茶がらを出し、ギュッとしぼって部屋にまく。こうすると、ホコリも立たず塵もまとまる。そうじ中は不思議と何も考えていない。ただ心の中にあるものが流れて行…

七夕

とっくに七夕は終わったとお思いでしょうが、旧暦の七夕、七月七日は、今年は8月26日に当たる。星祭りだから、もともと秋の行事なんだな。旧暦の七日ってのはほぼ半月で、見てくれは半分だけど、明るさは満月のおよそ8分の1。この明るさなら、星の光も…

油団

油団と書いて「ゆとん」と読む。日本の夏の敷物だ。極く上質の和紙を、六畳なら六畳の大きさに敷き並べる。それを糊で何枚も貼り重ねて3ミリほどの厚さにする。そこに熱した荏の油を素手で何度も塗りこんで、天日で一気に乾かすという、手間隙おしまぬ素晴…

水漬け

ごはんは、ジャーに入っています。ごはんは、チンして食べてください。いつからこんな風になっちまったんだ。そりゃ、炊き立てにはかなわないさ。卵かけただけでも美味いし、焼き海苔の香りだけでも喰えそうだ。「冷や飯を食う」なんて言葉もあるが、そんな…

送り火

昔、下宿の二階から大文字を見た。下宿のばあさんが、「弘法はんが書かはったんやて、達筆やなぁ」と手を合わせたのを覚えている。今まで何度かチャンスはあったが「見られるのに見ないのが通だ」なんて言って、ダラダラと呑んで過ごした。ふと、今年は観光…

不便利帖

月の満ち欠けと、精神状態の関連を調べようと思って、去年、手帖を作った。旧暦の日付は、月齢とほぼ同じだから、上に月の形と旧暦の日付を書き、下に睦月・如月・弥生と記し、その日の心のありようを書き込んで、たてに見比べられる便利な手帖だ。でも、使…

手ぬぐい

手ぬぐい、好きなんだよ。また見直されてきてるんだか、売れてるんだってね、最近。流行とは関係なく、こっちは風呂上りにバスタオルを使うのやめて、手ぬぐいにした。キュキュッとふいて、ササッとすすいですぐ干しちゃう。洗濯機を使うってことが当たり前…

お盆

お盆休みは8月13日~16日ってとこが多い。でも、東京のお盆は7月15日。梅雨の最中だ。これをよその人に言うと、大概たまげる。このズレの原因は、明治の太陽暦改暦にある。(以後、旧暦の日付を漢数字で、新暦の日付をアラビア数字で示す)暮らしのリズムそ…

裸電球

日本の過去の歴史の中で、たぶん、今がいちばん近眼が多い。子供の頃「本は明るいところで読みなさい」って言われて、その通りにしたが、今はこんなだ。行灯の光ってのは、60W電球の50分の1ぐらいだって言うが、江戸時代は行灯の明かりで繕い物したり、本を…

灯台

前、初島に行ったとき「明日は、灯台に行くぞ」って言ったら「トーダイって何」って子供に聞かれて困った。「灯台ってのはね」と、ゆっくり考えながら説明を始めて「夜に旅をしている船がね、真っ暗だと危ないから、電気をつけたり消したりしてね、ぶつかっ…

アスファルト

雨の降り方が、まともじゃない。これは熱くなりすぎた大地を冷やすために、地球が自己防衛的に大量の雨を降らせてるんだな。ところが、降らせても降らせても、アスファルトを上滑りして海に戻っちゃって、一向に冷えない。だから、次はもっと降らすっていう…

ごあいさつ

瞳堂酒人と申します。こよみ屋でございます。白い和紙に墨で一枚一枚、旧暦のひめくりを書いております。旧暦と言っても古臭い暦の意味ではなく、いにしえの天才達が編み出した“月のこよみ”。つまり、月からのメッセージを読み解くための最新式のシステムの…