瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

水の気

きのう、厩橋から月を見てて、川風に当たったせいか、きょう熱が出た。満月からの水の気と、隅田川の水の気、それから、川面に映る月からの水の気。多分、こいつらにやられたんだな。月に心を映そうとして、少し無防備になりすぎた。油断は出来ない。どこが…

満月

今日は、旧暦の十二月十六日。満月。隅田川にかかる厩橋から、月を見た。川面に月影が映り、屋形船がたゆたっている。ここだけは、江戸時代と変わってないかも知れない。橋をぶらぶら渡ったら、そこは本所だ。近くなのに、足を踏み入れるのは初めてだが、そ…

デフレ

経済のこと分かんないんだけど、今、デフレなんだってね。不景気で、物が売れないから安くする。安くすると、儲けが減るから、給料が下がる。給料が減るから、さらに物を買わなくなる。これ、何とかスパイラルって言うんだってね。ワイドショーなんかで、主…

昭和のくらし

「昭和のくらし博物館」に行ってきた。博物館って言っても、昭和26年に建てられた木造の家に、家財道具があるだけだ。芸術品や工芸品は、買い手もつくし値段もつくから、残ってゆくもんなんだけど、家財道具や古い浴衣なんてのは、こっちがお金払って処分す…

抜いたり、剃ったり、描いてみたり、眉毛の流行りにもいろいろある。昔のお公家さんは、引き眉って言って、眉毛を抜いちゃって、とんでもない所に掃墨でボンヤリと眉を描いた。江戸時代には、亭主持ちは眉を剃り落として、お歯黒。想像しただけで、ゾクッと…

和食

こっちの作るイタリア料理は、最近どうも和食っぽい感じがする。別に、鰹だしを使うとか、醤油を使うとかって事じゃない。多分、味のバランスのしかたって言うか、調子みたいなものが、和風なんだな。一昨年、京都の師匠のイタリア料理店に、子どもを連れて…

蓮根

今が蓮根の旬だ。見通しがきくって言うんで、最近よく食べる。京都のホテルの厨房でバイトしてた時、桶の水につっこんである蓮根を顎でさして、「レンコン、吸ってくれ」って板さんが言った。何でだろうと思いつつ、蓮根を吸おうとしたら、「アホかっ!」っ…

相撲

相撲は、ただのスポーツじゃない。それは、取り組み以外の部分を見れば分かる。呼び出しの柝の音が響くと、場内の空気はキーンと冴える。幕内力士の土俵入りは、壮観と言うか、本人たちは面倒くさそうだけど、大男が揃って全方位の鬼を威圧している。横綱の…

山芋

山芋が好きでね。何しろ、ぬるぬるしたのや、ねばねばしたのが好きなんだな。水っぽい長芋よりも、ねばりの強い大和芋がいい。すり鉢ですって、出汁でのばし、麦飯にかけて喰う。麦とろなら、3杯はいける。安いマグロでも、ぶつ切りをヅケにしといて、やま…

手紙

天袋から、小さな箱が三つ出てきた。中には手紙が入っていた。おそらく、200通ぐらいある。大切にとっといたってわけじゃなく、箱は紐でくくられて、2度の引っ越しをかいくぐって、今ここにある。20年ぐらい前のだから、今でも付き合いのあるのは、三分の一…

江戸人

浮世絵を見てきた。こっちの大好きな、西川祐信の絵が、珍しく2点出ていた。版画と違い、肉筆の浮世絵だから、筆使いや息遣いまでも伝わってくる。ここんとこは、祐信の筆がこうやって描いたんだななんて思うと、ガラスケースぎりぎりまで顔を寄せて、なめ…

大寒

今日は大寒。一年でも一番寒い時分だ。今日はたまたま、全国的に暖かかったけどね。立春までの15日間を、5日ごとに三分割した七十二候は、最初が「款冬華(かんとうはなさく)」。款冬は蕗のことだから、ふきのとうが出るってことだな。次が「水沢腹堅(…

人は生きている限り、常に何らかの気を発している。その気が、うるさくて仕方ないと気づいて以来、出来るだけ電車に乗らない。特に地下鉄には乗らず、極力歩く。あの閉ざされた空間で、本、新聞、雑誌、メール、電話、ゲーム、音楽、パソコン、化粧、食事と…

護摩祈願

厄年じゃないけど、護摩祈願に行った。去年もいろいろあって、結構、紙一重なところがあり、人生は何が起こるか分かんないなって、つくづく思った。だから、何はなくとも家内安全。家族が息災でいることが、全ての基本だ。全員で行ければいいんだけど、都合…

いらない

街を歩いてると、ティッシュやらビラやら、やたらと配ってる。いらないから、もらわない。でも、寒い中がんばって配ってるの見ると、もらわなかったら気の毒だとも思う。街角で持たされる、そんなちっぽけな罪悪感も、いらない。自治体や学校の行事のたびに…

おふくろの味

ニンニクと生姜のおろしたやつ、コショウにオールスパイス、それに醤油。このタレにつけた鶏肉に片栗粉をまぶして、油であげる。これを昔、母が初めてこさえた時は、美味しくってびっくりした。当時のうちの献立にしては、相当にエキゾチックだったからね。…

バーゲン

今年も残すところ、あと一ヶ月。今日は、旧暦師走の一日だからね。それにしても、デパートのバーゲン早過ぎだよ。年明け前にやっちゃうんだから。寒に入る前、まだ本格的に寒くなってもいないうちから、冬物を見切るとは、たいしたもんだ。定価で売るチャン…

留袖

「わたしの着物」って声が、ふと頭の中に聞こえた気がして、あわてて母の着物を出して見た。蓋もしてない段ボール箱に、何年も入れっぱなしだったが、幸い、虫にもやられてなかった。何着かのうち、母の里の家紋のついた黒留袖を、母方の家につながるものと…

鏡開き

すっかり鏡開きを忘れてて、きのう汁粉を食った。昔は、正月二十日にやってたらしいんだけど、三代将軍、徳川家光様が二十日に亡くなったんで、十一日に繰り上がった。将軍様のおひざもとだからか、関東は今も11日にやるけど、関西は20日のまんまだ。鏡餅は…

氷雨

今日は、すごく冷たい雨。東京でも一瞬、初雪が舞ったらしい。こんな雨を、氷雨(ひさめ)って言うんだろうか。昔、「氷雨」って歌があったな。1977年の佳山明生さんのデビュー曲なんだけど、売れなくて、4年後の1981年に再発売してもダメで、1982年に再々発…

成人の日

「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」ってのを旨として、成人の日は制定された。前は1月15日だったけど、2000年から、1月の第二月曜日になった。誰の都合だか知らないけど、やたらと三連休を作りたがって困る。大切…

1月10日

1月10日は、110番の日。110番の有効・適切な利用を呼びかけるために、1985年、警察庁が制定した。119番は、何度かかけた事があるんだけど、110番はかけた事が無い。でも、パトカーには乗ったことがある。母親が産気づいた時に、病院まで乗せてってもらったん…

たばこと塩の博物館

「浮世絵百華」っていう特別展を見に、たばこと塩の博物館に行ってきた。良い絵が多い中、鈴木春信の「機織り」の木版の、紅色につぶしたバックに浮かび上がる、機織女がとびっきり美しかったな。この博物館は、1978年に日本専売公社によって、たばこと塩の…

空気が澄んでるせいか、見える星の数が、めっきり増えた。とくに、ここ数日の空は、今までにないくらいに星の数が多い。我ながら本当かなって思うんだけど、ここ2週間で2回、流れ星を見ている。世が乱れる前ぶれの、妖霊星じゃないと良いんだがね。ところ…

七草

1月7日は、七草の日。せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、この7種類が春の七草だ。なずなはペンペン草で、ごぎょうはハハコ草、すずなは蕪で、すずしろは大根。ほとけのざは、春に紫色の花の咲く、いわゆるホトケノザじゃ…

願い事

初詣の時期だから、神社やお寺は、願い事が飛び交っている。神様や仏様の身になったら、もう、うるさくってしょうがないだろうね。前、根津神社に行ったとき、みんな黙々とお参りしてるから、もしかすると神様に聞こえてないんじゃないかと思って、「商売繁…

小寒

今日は小寒。寒の入りだ。節分までの約30日間が寒の内で、一年で一番寒い時分だな。寒いのは嫌だが、すごく寒いのは結構好きだ。小寒から4日目を「寒四郎」って言って、麦作の厄日。厄日って言われても、具体的にどういうことなんだか分かんないけど、麦…

縄文人

縄文系と弥生系、どっちかって言ったら、間違いなく縄文系だな。眉が濃く、二重まぶたで、目は大きく、ほりが深くて、全体的に濃い顔立ちだ。暑苦しいと言ってもいい。狩猟採集民族の血が騒ぐのか、海へ行けば泳ぐより、岩場の方で何か生き物を取ってるし、…

元三大師

天台宗の高僧良源は、正月三日に入寂したから、元三大師(がんざんだいし)って呼ばれている。角が生えてて、目はギョロギョロ、骨と皮ばかりの、鬼のレントゲンみたいな、妙なお札がある。これは、元三大師が鬼に変じた姿で、角大師って言って、魔除けの護…

おせち料理

おせち料理は、御節供の料理。それで、御節料理と書く。特別なご馳走のことではない。新年早々、台所でバタバタして、火の神を怒らせないために、竈は使わない。だから、前もって、日持ちのする料理を仕込んでおく。本当のところは、正月ぐらい女性を台所仕…