瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

おせち料理

おせち料理は、御節供の料理。それで、御節料理と書く。特別なご馳走のことではない。
新年早々、台所でバタバタして、火の神を怒らせないために、竈は使わない。
だから、前もって、日持ちのする料理を仕込んでおく。
本当のところは、正月ぐらい女性を台所仕事から、解放しようって事なんだろう。
その昔、凶作で食べ物が無くて、正月なのに竈の煙すら上がらないのを見て、仁徳天皇があわれに思い、正月に竈の煙が上がらない年は、免税にした。
それ以後、税逃れのために、毎年、正月は竈を使わなくなったって話もある。
そんな仁と徳が慕われた結果か、仁徳天皇の陵は、世界最大の墓なんだな。
ところで、おせち料理の材料って、豆、くわい、蓮根、ごぼう、人参、里芋、栗、鰯、魚のすりみやなんかで、贅沢なものはひとつも無い。
とくに、根っこのものが多いから、身体を暖めてくれるんで、寒いこの季節の料理にはピッタリだ。
こっちは、煮しめで酒を呑み、雑煮を喰えれば、それでもう充分なんだな。