瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春雨

雨の日の桜が好きでね。濡れると花は美しくなる。もやっていると、もっといい。なんとなく輪郭がはっきりしなくなって、あいまいになって、たまらない感じになる。傘をとじた時、花びらがついていたりすると、花の精を連れ帰ったような気分になる。だから、…

手を振る

人と別れるときに、どうして手を振るんだろう。 そう教えられたわけでもないのに。 手を振ることに、どんな意味が込められている。 多分、また会いたいって思いが、込められてるんだろう。 ケンカ別れする時に、手を振っちゃ変だもんねぇ。 それじゃあまたっ…

散る

桜は散るね。見事に散る。戦時中は、その散り際を、潔い死にたとえて讃える風もあった。こっちは、散ることを終わりとは思わない。むしろ、枝に固定されていたものが解き放たれるさまに、始まりを見る。咲くことが、美の極みってわけでもない。散り際は、静…

墓参り

寺に見事な桜があるから、花見をかねて墓参りに行く。墓前にはすでに花が供えられていて、線香受けにタバコが置いてないところを見ると、弟ではない。多分、叔父夫婦だ。叔父にとって、うちの親父は兄貴だし、ともに眠る祖父母は、父ちゃん母ちゃんにあたる…

ソメイヨシノ

ソメイヨシノは、『染井吉野』と書く。江戸時代の終わりごろに、江戸の染井村で作られた品種で、奈良の桜の名所の吉野山にちなんで、『染井吉野』って名づけられた。エドヒガンとオオシマザクラの交配種らしいね。これ、人工的に作られたもんだから、種はで…

詩が書けたらいいな。昔は、「あんな気どったもん書けるか」って思ってたけどね。でも、気どってちゃ、心に響く詩は書けない。どうしたら、心をそのまま出せるんだろう。多分、まだ気どってるんだろうね。人の心を知りながら何も知らないふりをして泣いた心…

強風

ここんとこ、極端に風の強い日が多いね。冬の空気と春の空気の落差が大きいから、これほど強い風を生むんだろう。それにしても、いろんな物が飛んでくるから危ない。これだけ風の力を目の当たりにすると、このエネルギーを使って発電しようって思うのも、分…

彼岸

彼岸は、一年に2度ある。お盆は1度なのにね。ところで、彼岸って何だろう。サンスクリットの仏典に『パーラミター』ってのが出てきて、これは「向こう岸に渡る」って意味。音を漢字で当てて『波羅蜜多』と書く。漢字で意訳すると『倒彼岸』になる。彼岸は…

セロリ

昔の日本人は、ああいう匂いのするものは喰わなかった。それが、今じゃ和食でも使う。セロリの漬け物なんて美味いよね。こないだ、ミートソースの仕込みにセロリの茎を使ったら、青々した葉っぱがたくさん残った。これで、セロリの葉っぱのスパをこしらえる…

究極の選択

うちに子どもが生まれたとき、友達が言った。「奥さんと子どもが川でおぼれてたら、どっちを助ける?」どっちもに決まってるじゃないか。「子どもはポーンと岸に投げといて、女房をかかえて岸まで泳ぐ」って答えたら、「それじゃ、究極の選択にならない」っ…

3月14日

3月14日は、ホワイトデー。バレンタインデーのお返しをする日だ。バレンタインデーってのは、キリスト教の関係の記念日らしいけど、ホワイトデーはキリスト教とは関係ないみたいだ。日本とか韓国とか、アジア方面が中心の行事らしい。こっちは曹洞宗だから、…

変わらない

何十年ぶりかで会った仲間とかわす言葉。「ぜんぜん変わらないね」マジで変わってないのもいれば、本当は変わり果てたやつもいる。こっちもよく、「変わらない」って言われる。体型も体重も変わってないから、見た目はそれほど変わってないのかも知れない。…

良心

“良心碑”ってのが、同志社大学のキャンパスにある。『良心之全身ニ充満シタル丈夫(ますらお)ノ起リ来ラン事ヲ』これは、新島襄が生徒に送った手紙の一部。一国の良心たる人物を、世に送り出そうっていう強い志を表している。昔は、良心って言葉が今より日…

チャン・チャン

チャン・チャンを聞くとなぜか涙になる。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの曲。 ♪ ファニカとチャン・チャンが 海で砂を篩(ふるい)にかけたとき 篩があんまりゆれたので チャン・チャンは照れてしまった ♪訳詞には“篩(ふるい)”って書いてあるけど、本…

ムショ仲間

19のころ、しばらく世話になった連中。こっちは一足先におさらばしたけど、あとになって何度か集まって呑んだことがある。中には、今でもあそこでオツトメしてるのもいるらしい。浪人中の春、確定申告の繁忙期に、税務署でバイトしたことがあってね。税務署…

わざと悪いことをしようと思ったことはない。それでも、悪いことをしてしまったことは山ほどある。悪いことは、したくないね。でも、悪いことをしないように生きようとすることが、良い生き方なんだろうか。良かれと思ってやったことで、誰かを傷つけ、心が…