瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

生き方

やさしさ

ジョージ・ウィンストンのピアノが、80年代の懐かしい場面を連れてくる。 みんな、やさしかったよな。 たいがいの事は断らなかったし、むしろ、すすんで損をしていた。 バカさ比べをしてたようなもんだ。 それが、ある種のやさしさで、カッコいいと思って…

仕事

時として人は、自分が一番仕事してる気になることがある。 こっちはこんなに仕事してるのに、あいつは何にもしてないなんてね。 むこうの方が沢山もらってるはずなのに、までいくと野暮の極みだ。 出来高みたいに、目に見えるのもあるけれど、人知れず気を回…

登校拒否

「登校拒否」って言葉は、いつごろ出来たんだろう。 昔から、学校に行きたがらないやつはいたけど、社会問題にはなってなかった。 「登校拒否」って言葉がひろまるにつれ、市民権を得るというか、逆に、そういうのもありという肯定になる。 あの頃、この言葉…

依存

依存を、ずっと「イゾン」だと思ってた。 だけど、テレビの人は「イソン」と言う。 で、調べてみた。 本来は、「イソン」が伝統的な読み方だそうで、広辞苑には(イゾンとも)と書いてある。 最近は、「イゾン」派が多数を占め、NHKでは「イゾン」を優先して…

恩返し

長く短いこの人生で、多くの人に世話になった。 世話になったと言っても、良いことばかりではなく、悪いことも含めて、星の数ほど学んだんでね。 かたっぱしからは思い出せないけど、今ここにある身体と心は、その恩恵の上に成り立っている。 ふとした時、昔…

自立

毎朝、出がけに、親子に行き会う。 70過ぎのお母さんと、40過ぎの知的障害のある息子。 こっちが、「おはようございます」と言うと、お母さんだけ、「おはようございます」と言う。 ある日、2人の姿がなく、歩いて行こうとすると、後ろから元気な「おは…

紅顔いづくへか去りにし 尋ねんとするに蹤跡なし

曹洞宗に『修證義(しゅしょうぎ)』ってのがあって、その中で身につまされるのが、 紅顔いづくへか去りにし 尋ねんとするに蹤跡なし って一文だ。 「紅顔(こうがん)」は、紅顔の美少年なんて言うように、血色のいい綺麗な顔のこと。 「蹤跡(しょうせき)…

タカ派

よく、あの人はタカ派だとか、ハト派だとか言うね。 おおざっぱに分けると、タカ派は武闘派で、ハト派は穏健派のイメージ。 でも、実際のタカやハトの様子を見てみると、どうもちがうね。 ハトは、おとなしく豆食って平和的な印象だけど、いつもポッポポッポ…

多数決

多数決って、こわいね。 内容の良し悪しにかかわらず、多くの人が支持さえすれば勝ちになる。 逆に、多くの人が支持するんだから、それが良いんだと思い込んでるふしもある。 これは、こわいよ。 一人一人の資質は問われないから、考えてる奴の一票もバカの…

チラシ

仕事帰り、外の階段でチラシが一枚、風に吹き寄せられていた。 玄関の前まで来て、そうだ、あれ拾って捨てればよかったなと思う。 戻って拾おうかとも考えたけど、面倒だからやめた。 何も思わず拾ったなら、良し。 良かれと思って拾ったなら、悪し。 人目を…

西山

まわりは建物だらけだけど、唯一、西の方のビルの間に、ほんの少し山が見える。 京都の友達が病気だと知ってから、毎日、その山を見るようになった。 あいつの住む街の方角に、その山があるんでね。 朝起きて、山がスッキリと見えると、今日は少しいいのかな…

成仏

死後、魂がちゃんとあの世に行くことを『成仏する』って言う。 でも、多分、成仏できない魂であふれているね。 生きてる間に、ちゃんと自分のことが分かって、人の気持ちも分からないと、何が起きても納得が出来ない。 納得できない状態で死んだら、どうした…