瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

紅顔いづくへか去りにし 尋ねんとするに蹤跡なし

曹洞宗に『修證義(しゅしょうぎ)』ってのがあって、その中で身につまされるのが、
   紅顔いづくへか去りにし 尋ねんとするに蹤跡なし
って一文だ。
「紅顔(こうがん)」は、紅顔の美少年なんて言うように、血色のいい綺麗な顔のこと。
「蹤跡(しょうせき)」は、「事跡」とか「あとかた」のことだから、この一文は、
   あの若々しく綺麗だった顔は どこへいってしまったんだろう
   さがそうとしても あとかたもない
ぐらいの意味だろうか。
そりゃ、年をとれば容姿もおとろえるさ。
こっちは、年とってツラの皮が厚くなり、紅顔から厚顔になった分、すこしこだわりがなくなって、前よりだいぶ生きやすくなった。
図々しくなった反面、人とのかかわり方にも余裕ができた。
だから、若い頃より今の方が、いい男だ。
まあ、負け惜しみにならないよう頑張るよ。