瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

鏡開き

すっかり鏡開きを忘れてて、きのう汁粉を食った。
昔は、正月二十日にやってたらしいんだけど、三代将軍、徳川家光様が二十日に亡くなったんで、十一日に繰り上がった。
将軍様のおひざもとだからか、関東は今も11日にやるけど、関西は20日のまんまだ。
鏡餅は、刃物で切らずに、手で割ったり、槌で砕いたりするのがしきたり。
それに、「切る」は縁起悪いから、「開く」って言いかえる。
しきたりでは、こういう言いかえは大事なことだな。
すり鉢を「あたり鉢」って言ったり、スリッパを「アタリッパ」って言ったりね。
ところで、やっと甘いもの食えるようになったけど、実は汁粉がいまだに苦手だ。
でも、今年は四谷見附のたいやき屋で、分けてもらった餡を使ったら、塩が効いてて美味かった。
すごく真っ正直な味で、初めてなのに、不思議と何かを思い出させる味がした。
歳とともに、味覚は昔の記憶にさかのぼるようで、最近は、洋食よりも和食を断然好むようになった。それに、洋菓子よりも和菓子を食う。
年とったから、あっさりしたものしか受け付けなくなったんじゃなく、明らかに、内なる魂が欲してるんだな。
今の日本の子どもは、将来どうなんだろう。
昔の記憶にさかのぼった時、出てくる味覚は、コンビニ弁当の味なんて言うんじゃ、いやんなっちゃうね。