瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

たばこと塩の博物館

「浮世絵百華」っていう特別展を見に、たばこと塩の博物館に行ってきた。
良い絵が多い中、鈴木春信の「機織り」の木版の、紅色につぶしたバックに浮かび上がる、機織女がとびっきり美しかったな。
この博物館は、1978年に日本専売公社によって、たばこと塩の資料収集と調査の目的で作られた。
今は、JT(日本たばこ産業)が運営している。
そこには、タバコの歴史や、喫煙具の変遷なんかが分かるように展示してある。
今、タバコは非常に冷遇されてるけど、展示見ながら思い出してみると、「一服する」なんて言葉もあるように、昔は心の余裕や遊び心があったなって思う。
こっちは、余裕ないから、とっくにタバコやめたけどね。
それと、世界の塩も展示してある。
よく覚えてないけど、昔は塩って言ったら、一種類しか売ってなかった気がする。
1997年に、塩の専売が廃止されたからかどうか知らないけど、今は、世界のいろんな塩を、手に入れることが出来る。ありがたいことだ。
塩は、世界をめぐっている。
海から生まれた塩は、さまざまな旅をして、いつかまた海に帰って行く。
それは、月の満ち欠けや、潮の満ち引きと同じ、くりかえしのリズム。これだけは、昔からちっとも変わっちゃいない。
裏を返せば、もとに戻んないことは、しちゃいけないって言う、それは自然の教えなんだな。