瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

小寒

今日は小寒。寒の入りだ。
節分までの約30日間が寒の内で、一年で一番寒い時分だな。
寒いのは嫌だが、すごく寒いのは結構好きだ。
小寒から4日目を「寒四郎」って言って、麦作の厄日。厄日って言われても、具体的にどういうことなんだか分かんないけど、麦踏みなんてのは、確かこの時期の作業なんじゃなかったっけ。なにしろ、麦の今後の成長に、重大な影響を及ぼす頃だってことは確かだ。
それで、9日目が「寒九」。
この日に雨が降った年は、豊作になるんだって。
寒九の水ってのは、一年で一番澄んでいるから、腐らないんだそうだ。
そう言えば、酒の寒仕込みもこの時期の作業だしな。
あと、寒ぶり、寒さば、寒しじみね。
魚やなんかも、寒いから脂肪や栄養分を体内にため込むんで、美味くなるんだな。
寒ぶりのアラで、鰤大根もいいし、寒しじみの味噌汁は、酒呑みの肝臓にしみわたる。
昔は、この時期にはこれに気をつけろとか、これが美味くなるとかってのがあって、それに従って生きて来た。
ところが今は、自然に従って生きることがなくなったから、何事にもありがたみの無い世の中になっちまった。