瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

十三夜

明日は、10月30日。十三夜だ。
と言われても、ピンと来ないだろう。間違っても、三十夜ではない。
明日は、旧暦九月十三日だから、十三夜なんだ。
八月十五夜を、芋名月と呼び、九月十三夜を、豆名月とか栗名月とか言う。
丁度、大豆や栗が食べ頃だから、お月様にお供えする。まあ、収穫祭の一種だろう。
十五夜は、中国から伝わった風習だけど、十三夜は、日本固有の行事らしい。
判官びいきに似た心理なんだろうか、完璧な丸じゃない十三夜の月をめでる心は、日本人らしい美意識だ。
樋口一葉の小説に、「十三夜」ってのがある。
相当前に読んだから、くわしい内容は忘れた。何しろ、切ないお話だった気がする。
♪お月さんいくつ 十三 七つ・・・って唄がある。あれも、何か切なさが漂ってるけど、意味が分かんない。
何が十三で、何が七つなんだろう。分かんないけど、本当は、知っているような気もする。でも、思い出しちゃいけない。本当のことは、心の奥に、そっと、しまい込まれてるんだろう。
十五夜の月見をして、十三夜の月見をしないのを、片月見って言って嫌うんだってね。
十五夜もいいけど、十三夜の月も好きなんだ。明日は、きっと月見びよりさ。