瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

鍋島松涛公園

渋谷の東急百貨店本店の裏手の方に、鍋島松涛公園はある。
江戸時代には、紀州徳川家下屋敷だったのが、明治に入り、佐賀の鍋島家のものになって、松涛園っていう茶園をひらいた。
それが、松涛って地名の由来になるんだけど、後に茶園は廃止されて、この小さな公園が残った。
真ん中に、渋谷には珍しい湧水池があって、そのまわりに古い桜が数本ある。
今年もまた雨ん中、この公園に花を見に来た。
ちょうど今が花の盛りで、散りはじめた白い花弁が、池の面に浮いている。
しかし、どうしていつも雨なんだろう。
行こうと思ってたのに、あいにく雨になったってわけでもなく、雨だからこそ行こうと思ったってわけでもない。
言ってみりゃ、花と雨に呼ばれたって感じかな。
池の龍が雨を降らせて、濡れた花の美しい姿を見せてくれているんだろう。
こっちの精は虎だから、ライバルの龍が、年に一度だけ良いところを見せようと思って、誘い出すのさ。
花と龍、龍と雨、そして龍と虎。
この話、まんざらこじつけじゃないよ。
鍋島松涛公園の最寄の駅は、京王井の頭線の神泉。
神泉って地名は、「竜神の泉」から来てるのかも知れないんでね。