瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

灌仏会

近くの寺の前を通ったら、本堂の前に見慣れないものがあった。
近づいてみると、それは花御堂で、中に小さなお釈迦様がいて、天上と天下を指さしていた。
今日はお釈迦様の誕生日、灌仏会だったな。
キリストの誕生日の時は、前の晩から大騒ぎするくせに、お釈迦様の誕生日のことは忘れがちだ。
そっと手を合わせ、お釈迦様の頭に小さな柄杓で甘茶を注ぎ、その御生誕を祝したあと、こっちも甘茶の相伴にあずかる。
灌仏会は、花まつりなんて言ったりもするけど、関東では新暦4月8日に、関西では月遅れの新暦5月8日にやっている。
でも、東アジアの他の国々では、昔どおり旧暦の四月八日にやるらしい。ちなみに、今年は5月21日にあたる。
そんな日取りのずれよりも、実は、月の相の方が大事だ。
旧暦の八日と言えば、上弦の月
この半月ってのは、新月と満月のちょうど真ん中。
かたよりのない心を表す月の相だ。
そして、海は小潮
潮の満ち引きの差が最も小さく、穏やかな心を象徴している。
そんな日に生まれたお釈迦様は、まさに御仏の教えの申し子なんだな。