瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

山中無暦日

床の間に掛軸、『山中無暦日』。
“山中 暦日なし”って読むんだってね。
ただ自然とともに暮らし、暦すなはち、世間の時間の流れにとらわれることなく生きるってことだろう。
こっちが旧暦をひろめようとしてるところへ、“暦日なし”と来た。
暦ってのは、太陽の動き、月の満ち欠け、季節の移ろいを、明確にするためにある。
それが進みすぎて、時の流れを支配したつもりになり、時を利して金にしようとしたところで、息詰まったのが今の世の中だ。
そいつを少しもとに戻して、自然に目を向けましょうってのが、今の旧暦(月のこよみ)の考え方なんだな。
『山中無暦日』とは、“山中”に入れって言うのでも、“暦日”を否定してるのでもない。
真ん中にある一文字、『無』を言った言葉なんだろう。