瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

娑婆

娑婆(しゃば)は自由なのか。
中に入れられて、自由を束縛されてる人間にとって、外の自由な世界を娑婆という。
「早く娑婆に出てぇ」なんてね。
仏教でいう娑婆ってのは、人の住むこの世のことだ。
つまり、迷い苦しみ耐える世界。
全く逆の意味だな。
江戸時代、吉原遊郭の中を“極楽”、外を“娑婆”って客が呼んだんだけど、中の女郎にしてみりゃ、外の“娑婆”こそが自由な世界なんで、逆の意味に使われるようになった。
考えてみりゃ、中も外も娑婆ってことだ。
結局は、心のありようなんだろう。
どう考えるか、どう思うか、どう感じるかじゃない。
どうあるかってこと。
そして、その“どうあるか”ってやつを、丸めてポイと捨てりゃ、娑婆は消えてなくなるんだな。