瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

ニガスの太鼓

言葉には言霊(ことだま)が宿るという。
音にも音霊(おとだま)ってのがあると思う。
歌を聞いて、歌詞に感動することがある。
メロディーがいいと感じることもある。
声にやられることもある。
でも、つきつめりゃ、“音”ってことになるんだろう。
それは、楽器でも同じこと。
ニガスの太鼓はすごかった。
太鼓なんて、誰が叩いても同じだと思ってた。
でも、ニガスの太鼓はちがう。
音があまりにも正しくて、まっすぐ天にとどいていた。
音が天とつながると、耳じゃなく、心に直接入って来るんだな。
一打ごとに涙が出た。
上手や下手なんていう次元をはるかに超えていた。
あれは、音霊だったんだろう。
こっちは、太鼓に泣かされるなんて、思ってもみなかったさ。