西行

今日は、旧暦の如月十六日。西行の命日。
俗名は佐藤義清（のりきよ）って言って、北面の武士だった。
それが何を思ったか、23歳で出家して、各地を旅して歌を詠んだ。
「ねがはくは　花の下にて　春死なん　そのきさらぎの　望月のころ」ってのがある。
“花”はサクラで、“きさらぎの望月”は二月の満月のこと。
二月に桜は咲かないって言いたいところだろうが、西行の命日、文治六年二月十六日は、新暦にすると1190年3月23日。
ソメイヨシノは江戸末期につくられた品種だから、山桜だか里桜だかが咲いていたのかも知れない。
仏陀の入滅が如月十五日だから、その日にこだわったんだろう。
歌に詠んだとおり、桜咲く如月の満月の日に死ぬとは、坊主らしからぬ執着心だな。