瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

一家

今日は母の命日だった。
父もすでに他界しており、墓に向かって手を合わせながら、ご先祖様へと思いをはせる。
そして、今ここにいる妻や子、さらに未来の孫たちのことを思うと、一家の繁栄を強く願わずにはいられない。
それは、家を飛び出した若い頃には、全く思いもしなかったこと。
人からとやかく言われる筋合いはない。俺の人生は俺のためにあるという思い上がりは、今頃やっと、とは言えスーッと自然に消えていった。
継ぐべき家業を持たぬ家だが、代々受け継いだ魂のあることを、上の代のいなくなった今、あらためて肝に銘じている。
「世の中のためになることをしろ」それが、この一家を貫く太い柱だ。
一家は、月のめぐりと同じだ。
満ち欠けはただ、時の相であり、決して終わることなくつづく。
次の代、さらに次の代のことを思えば、今やるべきことは自ずと決まってくる。