瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

重陽

今日は、旧暦九月九日。五節句のひとつ、重陽節句だ。
人日(一月七日)は、七草の日。
上巳(三月三日)は、桃の節句、ひな祭り。
端午(五月五日)は、菖蒲湯、こどもの日。
七夕(七月七日)は、笹の葉さらさら、星祭り。
重陽(九月九日)は、菊の節句
この五つが、五節句だ。
その昔、中国では、奇数を陽の数としていて、九が最高の陽数だから、九の重なる九月九日は、めでたい日となり、重陽節句と名づけて祝ったそうだ。
邪気を祓い、長寿を願って、めでたい花とされる菊を供え、酒に菊の花びらを浮かべて、飲んだと言うが、薬くさい酒になりそうだな。
江戸時代には、五節句の中で一番に重んじられたって言うけど、今じゃ一番なじみが薄い。
昔は、おまじないやお祈りしか、病気を治す方法が無かったから、健康や長生きに対する願いは、切実なものがあっただろう。
それは、医学や科学の進歩した現代でも、同じことかも知れない。
願うって、すごく大切だと思う。
だけど、今、何かを願うって言うと、お金だとかなんだとか、欲しいものって話になっちゃう。
そうじゃなく、欲を離れて、心からのお願いを持てるってのが、一番しあわせな事なんだろう。
こんな時代だからこそ、節句の意味を、もう一度考え直して見る必要がある。