瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

生活の中から、火が遠ざけられている。
あかりは蛍光灯、ごはん炊くのは電気釜、お湯沸かすのは電気ポット、料理するのはIH。
裸火を目にすることが、極端に減った。
ろうそく、ランプ、かまど、囲炉裏、七輪、火鉢、焚き火・・・。
ちょっと古すぎるけど、ぬくもりと憧れがある。
秋刀魚を焼いた煙を見て、火事と間違え通報し、消防車が来て大騒ぎなんてのが、年に何件かあるらしい。
野中の一軒家じゃないし、普段、煙を見慣れてないから、びっくりしちゃったってのもあるだろう。もちろん、どちらにも悪気はない。
でも、直火で焼く方が美味いし、とくに、鰻や焼肉なんかは、煙も味のうちだ。
人は火に対し背を向けることは出来ない。危険だからこそ、人は火に向き合う。そして、向き合った人と人の心を、火はうちとけさせてくれる。
火のまわりには、なごみの場がうまれるんだな。
もちろん安全第一なんだけど、遠ざけて危険をなくすことよりも、気をつけて使いこなすことが、大事なんじゃないだろうか。
結局は、思いやりなんじゃないかなんて、言えた義理じゃないがね。