瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

下弦の月

今日は半月、下弦の月
半月を弓に見立てたとき、月の入り際に、弦が下向きになるから、下弦って言う。
真夜中頃に月が出て、真昼ごろに沈んでゆく。
一番高く上るのは、朝方5時頃だから、見るつもりがないと、なかなか見られない月だ。
そのかわり、朝になっても西の空に残っているから、青空に白く見える月もいいもんだ。
昔は、二十三夜待ちってのがあった。
下弦の月の出を待つ、女の人の行事だ。
二十三夜の月が、勢至菩薩の化身だってんで、拝めば願い事がかなうってやつ。
飲んで喰って、朝までしゃべりまくったそうだから、信心深い行事っていうより、まあ、奥さん連中の息抜きみたいなもんだな。
南浦和のあたりに、二十三夜っていう地名が残っている。二十三夜坂下ってバス停があるくらいだから、坂の上の高台で、盛大に二十三夜待ちをやったもんなんだろう。
去年、こっちの不便利帖で、旧暦二十三日のところに、「仕事はどうでもいい」っていうキーワードが、何度もでてきた理由がやっと分かった。
二十三夜待ちで、仕事忘れて遊びほうけた先祖の記憶が、DNAに刻み込まれてて、そいつが無意識のうちに出てきたんだろう。