瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

於岩稲荷

きのう、四谷左門町を歩いていて、於岩稲荷を見つけた。それも、ふたつ。
於岩稲荷田宮神社と、於岩稲荷陽運寺が、道をはさんで斜め向かいにある。
名前は途中まで同じだけど、雰囲気は全く違う。公平に両方お参りした。
お岩さんって言うと、「四谷怪談」。
それから、昨日12月14日、討ち入りとくれば、「忠臣蔵」。
四谷怪談忠臣蔵が、ここで奇しくも再会したわけだ。
1825年の初演は、「仮名手本忠臣蔵」と「東海道四谷怪談」を、交互に混ぜて一本につなげ、二日がかりで上演している。つまり、四谷怪談は、忠臣蔵の外伝なんだな。
それにしても、相当怖かったらしいよ。鶴屋南北、なかなかやるな。
四谷怪談が実話に基づくものかどうかは、諸説あって定かじゃないが、こんな話もある。
田宮家の娘お岩は、婿養子の伊右衛門と仲のいい夫婦だった。でも家が貧しかったので、お岩は外に奉公して家計を助けた。そして、家にあった社を熱心に信仰したご利益か、やがて家は栄えていった。そのことが江戸で評判になり、この社をお岩稲荷と呼んで、日々参拝する人が絶えなかった。
多分そうだったんだろう。いずれにしても、昨日は曇り空で寒かったのに、境内は実に穏やかでいい感じがした。
お岩さんって、いい人だったんだろうなって思ったから、家内安全お願いしますと、お参りしたってわけなのさ。