瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

煤払い

旧暦十二月十三日が煤払い。今では、新暦で12月13日にやることになっている。
もともと、年神様を迎える準備をする、宗教的な行事なんだな。
お寺で、長い竹の枝を使って、高い天井のすすを払ったり、仏具をふき清めたりしている光景を、ニュースなんかで見ることがある。
要は、年末の大掃除だ。でも、あんまりピンと来ない。
いつも、誰かが夜通し起きていて、年末年始も関係ないような世の中だ。みんなが何かしら忙しいから、年越の準備だの大そうじだのっていう意識が、薄れてくるのも当然だ。
年末と年始の大切な区切りが、せいぜい昨日と今日の区別ぐらいの重みしかないからね。
でも、始まりと終わりのケジメをキッチリつけないと、ただ時に押し流されて、ダーッと一生終わっちゃう。
旧暦の、月の満ち欠けのサイクルを基にした暮らしで、内外のリズムを同調させようって言うのは、根っこにはそういうことがあるからだ。
それとは別に、これはこっちの話なんだが、いろいろあって、どうしようもなくなった時は、一心に掃除をするしかない。いってみりゃ、心のすす払いだ。