瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

シーラカンス

シーラカンスは、3億年以上前から同じ姿だ。
古い地層から出てくる化石と同じ姿をしたやつが、今も生きているのを、生きた化石って言う。
デボン紀に現れ、白亜紀末に死滅したと思われてたんだけど、1938年にマダガスカルで発見されて以来、時々見つかっているし、最近じゃ泳ぐ姿もカメラに収められている。
シーラカンスの胸鰭と腹鰭には、陸上に生息する脊椎動物の手足と同じように、骨がある。
昔は浅瀬にいたらしく、魚から両生類に成りかけて、ハイハイし始めようとしたところで、進化が止まっちゃった。
さて上陸するぞって矢先に、よっぽど重大なことが起こって、海に逆戻りしたんだろうね。あの胸鰭じゃ早く泳げないから、深い海に潜りこんで、もう進化はしないことにしたんだろう。
そして、生きた化石と呼ばれるようになった。
人類は、シーラカンスとは逆に、上陸して、どんどん進化しまくった生物ってことだな。
それでも、昔は海にいたってことを、忘れちゃいけない。
その海の満ち引きを、あやつっているのは月だし、人の心の奥底にしまわれた海の記憶に、時々波風立てるのも月だってことも。
月は、潜在意識を支配している。
ところで、シーラカンスは、昔見た月を覚えているだろうか。