瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

サトウハチロー

サトウハチローの詩は読めない。
どの詩を読んでも、途中で涙があふれてしまう。
かわいらしい詩があり、とっても楽しげな詩がある。
でも、サトウハチローの心の何かが、こっちの何かと共鳴して、かすかにふるえ始めると、あとは同じ涙になる。
小さくってはかないものを、とても大事に守ろうとするのは、自分がそうして欲しかったから。
おかあさんの詩が多いのは、素直に甘えられなかった心の悔い。
その詩の裏に隠れた涙は、淋しいって一度も言えなかった悲しみの海だ。
読めば涙と知りながら読む。
それは、サトウハチローが、こっちの心を全部知ってるからなのさ。