瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

イワシ

映画「麻雀放浪記」でドサ健が、御徒町の闇屋でかじってた、メザシが最高に美味そうだった。
メザシは、酒と博打によく似合うのさ。
こっちは、カタクチイワシよりも、ウルメイワシのほうが好きなんだな。
今日は、ウルメの丸干しの良いのがあったんで、あぶって喰った。
かために干したやつだから、かめばかむほど味が出る。
今は、もちろん頭から喰うけど、子どもの頃は、頭が苦くて嫌だった。
親父は頭をバリバリ喰い、こっちが頭を残すと「イワシは頭に栄養があるんだ。喰え」って怒られたもんだ。
大人になって、一緒にメシを喰った時、イワシの頭を残したから、「それは?」って言ったら、「嫌いなんだい」って、親父は苦そうに酒をあおった。
なにしろメザシは、白いゴハンにもコップ酒にも合う。
最近の魚は、養殖物が多いけど、イワシは100%天然物だ。
養殖魚は、エサをもらって、狭いところで泳がされている。
イワシは、もらったエサは食わないし、自由に海を泳いでいる。
そんなイワシとドサ健にあやかりたくて、メザシ一本でメシを喰うのさ。