瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

節分

立春の前の日の今日は、季節の分かれ目ってことで、節分。
毎年、太巻きをこしらえて喰う。
あの恵方巻きってやつは、もともと大阪の方の商家の風習らしいね。
その年の恵方を向いて、心に願い事をしながら、切ってない太巻きを、一本丸ごと黙って食べる。
太巻きを切らないのは、商売の縁を切らないってとこから来てるんだろう。
でも、切ってしまいたいこともある。
今日はまた、特に寒くて、陰の気が極まったせいか、昔の嫌なことばかり思い出した。
それも、嫌な事されたんじゃなく、こっちが人に対して悪いことしてしまったことを。
こっちの心に棲んでる鬼が、つい抑えきれずに、暴れだした時の出来事だ。
実のところ、鬼なのか、素のまんまの心なのか分からない。
本当に取り返しのつかないことがいくつかあって、思い出したら涙があふれて、仕事にならなかった。
節分には、豆をまき、年の数だけ豆を喰う。
あれは、外にいる鬼と、心の内に棲む鬼に対する戒めなんだな。
またいつか、心の鬼が暴れるんじゃないかと思うと、朝が来るのも恐ろしい。
罪を消すことは出来ないが、毎年変わらず、豆をまくのさ。
鬼やらい 鬼やらい 鬼やらい