瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

ぼたもち

ぼたもちとおはぎって、どこが違うんだろう。
こし餡とつぶ餡のちがいだとか、米粒の形が半分残ってるのと餅状にしたのとの違いだとか言う。
でも、どうやら全部ひっくるめて、ぼたもちでもありおはぎでもあるらしい。
春は牡丹の花にちなんで牡丹餅、秋は萩にちなんでお萩って呼ぶ。
同じものを、季節によって、呼び分けてるってこと。
じゃあ、夏と冬はって話になる。
夏は夜船、冬は北窓って呼ぶんだってね。
ぼたもちの米は、お餅と違って臼でペッタンって音をたてて搗かないから、いつ搗いたのか回りに分かんない。夜の船は、暗くていつ着いたのか分かんないから、「搗き知らず」と「着き知らず」をかけて、夏は夜船って呼ぶ。
それから、北の窓からは月が見えないから、「月知らず」と「搗き知らず」をかけて、冬は北窓って呼ぶ。
ややこしい言葉遊びだけど、季節によって同じものを呼び分けるなんて、なかなか粋なもんだ。
ただ、棚から落ちてくるのは、年間通して、ぼたもちだけにしといてもらいたいね。