瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

富士講

昔は、富士講ってのがあった。
富士山と、そこに住まう神々を信仰する集団のこと。
江戸時代に、食行身禄(じきぎょうみろく)って人がいて、当時、飢饉があったりして苦しい世の中を何とか救おうと、富士山にこもり断食をして入定した。
その話が江戸の町に伝わって、富士講が流行る原因になったらしい。
いろいろ行事はあるなかで、やっぱりメインは富士詣だな。
乗り物はないから、何日もかけて歩いて行って、それからやっと富士山に登っていくんだけど、信仰とは言うものの、結構たのしい小旅行だったのかも知れない。
本物にはちょくちょく登れないんで、江戸の近郊では、ミニチュアの富士塚ってのを造った。
千駄ヶ谷鳩森神社にも、富士塚が残っている。
当時はビルがなかったから、富士塚に登れば、本物の富士山が拝めたんだろう。
富士山は綺麗だからね、拝みたくもなるさ。
月も綺麗なんだけど、考えてみたら、拝んだことは無い。
太陽は、初日の出を拝んだりしたことあるのにね。
月は、それだけ身近で親しみやすいってことだな。
あなたが 何かを見失っても 月はいつも そこにあります