メメント・モリ

メメント・モリ（Memento mori）って言葉がある。
ラテン語で、「自分がいつか必ず死ぬってことを忘れるな」って意味だ。
「死を想え」なんて言ったりもする。
別に、死を連想するような事に出くわしたわけでもないのに、何となく、そんな事が頭ん中をよぎった。
今まで生きて来た時間よりも、これから残された時間の方が、おそらく短いだろう。
とすると、これから何をやりたいかってことよりも、最後はどんな人間で終わりたいかってことの方が、重みを持ってくる。
前は、いろいろ吸収したいとか、もっと力をつけたいだとか思ってたけど、これからは、どんどん放出したいし、持ってるものを次の人に渡したい。
それで、空っぽになって消えて行きたいって、日の当たる道を歩いてて、ふと思った。
よく、月が満ちてゆくときは吸収しやすく、欠けてゆく時は放出しやすいって言うね。
こっちは、今、放出の段階に入ってるみたいだから、月で言ったら満月の頃は過ぎたって事だな。
死に方は選べないけど、終わる時のありようだけは、思ってる姿になんとか近づけたいもんだ。