瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

命日

今日は、親父の命日だ。
呑ん兵衛だったんで、日本酒を持って寺に行く。
行ってみると、墓前に新しい花があり、供えられたタバコが一本灰になっていた。
忙しくて行けないって言ってた弟が、なんとか時間をこしらえたんだろう。
こっちも花を持ってったから、いつになく墓前に花があふれた。
線香をあげて、一合の酒を親父と半分づつ飲む。
先ず、いつもありがとうと言い、今の家族の様子をこまごまと話して聞かせた。
あの頃は、全く聞く耳持たなかったけど、いろんなことを教えてくださいって頼んでおいた。今なら、素直に聞けるだろうから。
彼岸には、多分、みんなで来れると思うからって言って、墓前を去る。
ところで、祥月命日ってのは、亡くなったのとズバリ同じ当月当日のことを言うんだってね。
ただ命日って言うと、亡くなった日に当たる毎月のその日のことをさすらしい。
だから、旧暦時代には、毎月おんなじ形の月の日に、仏を供養してたってことだ。
新暦の日付でやると、月の形はバラバラで、何だかわけが分からない。
親父の命日は、旧暦の二月九日で、今年は3月24日に当たる。だから、その日は月を見る。
旧暦九日の少し丸みを帯びた半月、あの月を見ると、あの日のことが一気に蘇ってきて、ちょっと困ったことになるんだけどね。
きっと昔の人は、月を眺めては、亡き人の面影を偲んだんだろう。