瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

啓蟄

今日は、二十四節気啓蟄(けいちつ)。
蟄虫戸を啓く(すごもりむし とをひらく)。
土の中で冬ごもりしていた虫が、巣穴の戸を開いて、這い出してくる頃ってことだ。
別に、今日を境に、一斉に蠢き出すってわけじゃないけどね。
啓蟄って言うと、ケラを思い出す。時期は少しずれるけど、春に畑を耕すと、必ずケラが出てくるから。
毎年、同じあたりから出てくるんだけど、一見、エンマコオロギに似ていて、手がスコップみたいになった妙な虫だ。
お尻のあたりは、ビロードみたいな毛がはえていて、触ると柔らかくて、すごく可愛い。
土の中に住んでいるから、穴を掘るのはもちろん得意なんだけど、夜になると、空を飛び回るんだってね。
おまけに、水の中を泳ぐのも結構早いらしい。
鉄人レースの選手みたいだな。
人間はどういうわけか、土をアスファルトで覆いたがる。
アスファルトで塞がれちゃ、さすがのケラも、鉄人ぶりをふるえなくなる。
啓蟄っていう言葉の意味も、薄っぺらなものになっちまうな。