注意散漫

夕方、5時半過ぎ、買い物に行こうと思って歩いていた。
車の通りの少ない一方通行の、クランクになった所に、いきなりタクシーが飛び込んできて、急ブレーキで止まった。
交差点を渡って、裏通りに入ったところで、バイクがこっちの身体すれすれに追い抜いて行き、左の路地からスルスルッと出てきた車と、ぶつかりそうになった。
大通りに出て、歩道を歩いていたら、右側の駐車場から出てきたワゴンが、一時停止もせず歩道を突っ切り、大通りに飛び出していった。
運転手はおばさんだったけど、横顔を見たら、ボーっとしていて前しか見ていなかった。
目的の店について、入ろうと思ったら、後ろから来たチャリが、こっちの右腕をかすめて走り去っていった。
これは、家を出て10分足らずの間の出来事。
「薄暮は、交通事故に気をつけろ」って、親父がよく言っていたな。
それにしても、危なっかしい日だと思いながら空を見たら、半月があった。
半月の頃は、月と太陽の引力の関係で、海は小潮、潮の動きはボンヤリする。
人間もボンヤリするらしく、注意散漫で危なっかしくなるのかも知れない。
だから、半月を見たら、気を引き締めろ。