瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

なかじま食堂

京都で下宿をはじめた初日に、隣の人に連れてってもらったのが、なかじま食堂。
河原町今出川のあたりにある。
白い紙にマジックでメニューを書いたのが壁に貼ってあって、注文が決まればレジに行く。
レジで注文をすると、即刻マイクで「コロッケ定食でーす」って店内放送される。
それから、なぜか名前を聞かれ、金を払う。
空いてる席に座って待っていると、厨房からお盆を持った人が出てきて、「コロッケ定食の、瞳堂さーん!」と大声で連呼する。
段取りが分かんないから、いきなり名前を呼ばれても、とっさには返事が出来なかった。
味は思い出せないけど、まあまあだったんだろう。
以後、ちょいちょい喰いに行くようになった。
下宿が大学の近くだったから、帰り道プラプラ歩いてると、たいがい誰かとバッタリ会った。
そのまま、鴨川べりをしゃべりながら散歩したり、石のベンチに座って大文字の山を眺めたりしたもんだ。
なんか、のんびりしてたよな。
とくに、月を見たって覚えもないけど、どことなく、月のある暮らしだったように思う。