たいやき

子どもの頃は、たこ焼きとたい焼き、どっちが好きかって聞かれたら、迷わず、たこ焼きって答えたもんだ。
一字ちがいで、どうしてこんなにも違っちゃうんだろうって、ずっと思ってた。
たい焼きみたいな甘いもん、どうしても一匹食べ切れない。
あん抜きなら、喰えたかも知れないけどね。
ところが最近、ある店のたいやきを喰ってから、ちょっと考えが変わった。
そこのは、塩の効いた粒あんと、パリッとした皮のバランスが絶妙で、ちょっと大きめなんだけど、ぺロッと喰えちゃう。
ところで、たい焼きにも、天然物と養殖物があるんだってね。
一枚の鉄板に何匹分も型があって、いっぺんにパコッて大量にできるやつが養殖物。
一方、でかいヤットコみたいなやつの先に、一匹分の焼き型がついたので、一つ一つ丁寧に焼くのを天然物って呼ぶ。
天然物は、やっぱり減ってきてるらしいね。
あそこのは、もちろん天然物で、見た目もスッキリしていて良い。
いっぺんに何匹も喰うわけじゃないんだから、たまにでいいから、尾頭付きは天然物といきたいね。