瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

片目

漫画家の水木しげるさんは、片腕で、「ゲゲゲの鬼太郎」という傑作を生み出した。
その、ゲゲゲの鬼太郎は、片目なんだけど、妖怪相手に数々の事件を解決してゆく。
こっちがもし、片目しか見えなかったら、それこそ何も出来はしないだろう。
ためしに、しばらく片目をつむってみた。
視野が極端に狭くなるし、距離感がつかめない。それに、すごく疲れる。
これじゃあ大変だと思いながら、雑誌をペラペラめくってたら、写真の見え方が何だかいつもと違う。
立体的に見えるというか、すごく奥行きを感じる。
それで、片目を開いて両目で見ると、写真は急に平たい感じにもどる。
もう一度、片目をつむってみると、やっぱり明らかに奥行きが出る。
被写界深度の浅い写真の方が、とくに飛び出して見える。
これって、3Dじゃないよね。
しかし、鬼太郎には、どんな世界が見えるんだろうか。
片目じゃないと見えない世界ってのも、この世の中にはあるのかも知れない。