瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

さなぶり

農家の行事に、さなぶりってのがある。
早苗振る舞いが縮まって、さなぶりになったって説もあるけど、どうなんだか分からない。
何しろ、田植えが終わってお疲れさんって、呑んだり喰ったりする行事だ。
自分ちの田植えが終われば、自分ちのさなぶりがあり、村全体の田植えが終われば、村のさなぶりがある。
その土地によって、ごちそうの内容もちがうし、やることもちがうんだろうけど、田の神に感謝する気持ちだけはおんなじだ。
昔、田んぼだらけのところに3年ほど住んでたことがあるけど、部外者だったから、そこでどんな行事があったのか全く分かんなかった。
祭りを見た記憶もないけど、多分、おおっぴらじゃなく内輪でいろいろやってたんだろう。
街では、核家族どころか一人暮らしすら珍しくはない。
人付き合いが煩わしくって、人付き合いをしなくても、一人で生きて行ける世の中になってきた。
近所付き合いなんて、無いのと同じだ。
でも、人とかかわって生きていくってことが、本当は大事なことだったんじゃないかな。
街にも、さなぶりがあったらいいなって、少し思ったね。