イライラ

イライラしたから人を刺したなんて事件は、昔もなかったわけじゃない。
そんなことする奴は、半分気ちがいみたいなもんだと思っていた。
でも最近は、そんな事件は珍しくもない。
犯人も、まんざら気ちがいでもないようだ。
かばうつもりはないけど、真犯人は「イライラ」じゃないかって気すらしてくる。
それくらい、世の中に蔓延するイライラは、慢性化して凶暴化している。
コンクリートやアスファルトに囲まれて、コンピューターに支配される日々。
我が家に起こった出来事よりも、画面の中の出来事にリアリティーを感じる暮らし。
作られた味で、いつまでも腐らない食べ物に依存した生活。
食品添加物って、言ってみりゃ薬でしょ。
発ガン性については問題にされるけど、神経に及ぼす影響ってないんだろうか。
イライラのはけ口としての暴力は、慢性病みたいなもんで、一度発症するととめどなくくり返すもんだ。
それに、どうも伝染るみたいだしね。
カラオケでストレス発散もいいけど、それ以前に排除しなきゃいけないものが、生活の中には山ほどある。
そのことに気付くことが、第一歩だ。
月を見ればイライラが治まるって言い切るつもりはないけれど、先ずは、月を見ることから始めよう。