瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

紅茶きのこ

昔、紅茶きのこってのが流行った。
生ハムメロンは、メロンの上に生ハムがのっかってるやつだけど、紅茶きのこは、紅茶の中にきのこを入れて飲むわけじゃない。
何かぶよぶよした塊を、砂糖を入れた紅茶に何日か入れといて、飲むんだな。
身体にいいって言うんで、誰かに株を分けてもらって、うちでもやったことがある。
一度だけ飲んでみたけど、何だか酸っぱかったことだけ覚えている。
実はあれ、シベリアの方の伝統的発酵飲料なんだってね。
あの寒天みたいなかたまりは、きのこじゃなくて、酢酸菌の一種が作ったセルロースゲルだ。
今も似たようなのがあって、ココナッツジュースにナタ菌ってのを入れて発酵させてできた寒天みたいなのが、ナタ・デ・ココ。
紅茶きのことナタ・デ・ココが、仲間だったってのには驚いた。
うちにあった紅茶きのこは、ほったらかし過ぎて、宇宙の生命体みたいになって、気味が悪いっつって母親が捨てた。