瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

利休百首

利休百首ってのがある。
千利休が、茶の湯の心、点前作法の心得を説いた百二首の和歌だ。
その中の一つ、
  ”その道に入らんと思ふ心こそ
         我が身ながらの師匠なりけれ”
その道に入って学ぼうと、思い立った心がまさに、自分にとっての師匠なんだってこと。
この師匠は、厳しいよね。
自分の中にいるんだから、逃げられない。
求めるところ全てが道だから、これでいいってことがない。
それでも、人からやれって言われたんじゃないから、何物にもとらわれない自由さがある。
「その道」ってのは、茶の湯の道に限らない。
日常のささいなことでも、やろうと思い定めた瞬間に、それは道になる。
そして、道という道は、すべて月に通じている。
月はいつもそこにあるのに、どうにもとらえようがないからね。