瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

たばこ

昔は、セブンスターを一日一箱吸っていた。
歩きながらも吸ったし、吸殻は平気で道に捨てていた。
長距離列車のボックス席には、壁面に薄型の灰皿がついていて、誰はばかることなく吸っていた。
そのうち、嫌煙権って言葉が生まれて、禁煙コーナーが出来はじめた。
今じゃ、喫煙コーナーがあるほうが珍しいくらいだけどね。
たばこってのは、“間”みたいなもんだから、いつもは20本なのに、今日は調子悪いから2本にしとくってわけにはいかない。
のどが痛くたって、ゲホゲホいいながらでも吸うもんだ。
ところがある日、咳き込みながら吸ったたばこが、妙に不味かったことがあった。
これは、どこかに何か出来かけている。
こっちには、まだやることがあると思ったから、残りは箱ごと捨てて、おしまい。
たばこ吸う織田作之助の白黒がいくら格好よくっても、もう吸いたいとは思わない。