瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

飛鳥山

飛鳥は奈良だけど、飛鳥山は東京の王子にある。
小高い丘で、古くからの桜の名所だ。
古いって言っても、江戸時代のことだから、戦といえば応仁の乱をさす京都人には笑われそうだ。
享保の改革の一環として、八代将軍、徳川吉宗が、飛鳥山に桜をいっぱい植えさせた。
当時、桜の名所の多くが、酒宴を禁じられてたけど、飛鳥山はフリーにした。
享保の改革って、結構きびしい内容だったんで、はめをはずす場所をこしらえとかないと、不満が爆発しかねないんでね。
王子には、今でも路面電車が走っている。
この前、火事でだいぶ焼けたけど、“さくら新道”っていう、戦後の闇市のにおいの残る一角もある。
この花は、あの時の花じゃないけれど、吹雪の中に佇めば、今が昔に思われる。