瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

南方曼荼羅

南方曼荼羅(みなかたまんだら)ってのがある。
南方熊楠(みなかたくまぐす)の世界観のこと。
この曼荼羅ってのが、何本もの線がグチャグチャに入り乱れて描いてある図なんだな。
線の始まりが“因”で、終わりが“果”。
つまり、原因があって結果があるという、“因果”を表している。
その線が、密に集まっているところがあり、疎らなところもある。
線と線が、たまたま交わるのが“縁”であり、そのことが何らかの影響を及ぼすことが“起”ってことになる。
それが、“縁起”ってやつ。
“因果”には必然性があり、“縁起”には偶然性がある。
だから、この何本ものグチャグチャの線が、この世の全ての出来事を現している。
この世の道理を知るならば、すべてのことは起こるべくして起こるってことに行きつく。
大切なのは、原因があって結果があるってことじゃなく、縁があって何かが起こるってことだから、“縁”こそすべてと言えなくもない。