酒呑み

酒を禁じてたわけでもないから、禁酒していたわけじゃない。
だから、酒を飲んだからって、酒解禁ってことでもない。
今日は呑もうと思ったから、呑んでみたってだけの話。
酒を呑まないでいるのは、人生の半分以上の日々を飲酒に費やしてきたんで、呑まない暮らしはどんなもんかと思ったから。
こっちは今、たまたま呑まずにいるだけで、一生呑まないと決めたわけじゃない。
呑もうと思えば呑むってこと。
呑むまいってのを貫き通すのは、意志が強そうに見えるけど、実は全く反対だ。
ずっと呑み続けていることと、ずっと呑まずにいることは、自分を縛り付けることだから、結局は同じことなんだな。
呑むのと呑まないのを、境目無く自在に行ったり来たりするのが、本当の酒呑みってことなんだろう。