瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

歌川広重

歌川広重って言えば、『東海道五十三次』だな。
子どものころ、茶漬け喰って集めたよ。
美人画も描いてるけど、どうも塩梅がよくない。
背景を描き込み過ぎるせいか、風景画と美人画を合成したみたいに見える。
よっぽど風景が好きだったんだろうね。
逆に、風景画になると、広重は必ずといっていいほど人物を描き込む。
これは美人画と違って、人物が風景にとって、無くてはならないものになっている。
広重の風景画から人物や動物を消し去ったら、何の面白みもなくなるね。
だから広重は、風景じゃなくて情景を描く浮世絵師なんだろう。
雨や花火みたいに、瞬間に消えてゆくものも描いてるけど、そうゆうのって西洋の風景画にはないかも知れない。
雨や花火は、風景じゃないからね。
あの白く抜いた月も、きっと日本人ならではの感性なんだな。