瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

いろは歌

いろは歌のいろは四十七文字、漢字を交えて濁点を打ち、適当なところで切る。
『色は匂へど 散りぬるを
 我が世誰そ 常ならむ
 有為(うゐ)の奥山 今日(けふ)越えて
 浅き夢見し 酔(ゑ)ひもせず』
これは、涅槃経の「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」の和訳だと言う。
“花は咲いても散るものを
 この世に永遠(とわ)などあるものか
 因縁因果の人の世を きょう越えてゆく
 浅い夢(この世)見た あるがままに”
“浅き夢見し”は涅槃経にある“寂滅”、つまり死ぬことだから、死にゆく人が詠んだ歌なんだろう。
こっちは、諸行無常を嘆くつもりもなく、ただ世の中が少しでも良くなればと思ってきた。
でも、力が足らず、何も出来はしなかった。
一番哀しかったのは、子どもに何も伝わらなかったこと。
誰かを殺すと恐れていたが、多分、自分を殺すんだろう。