瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

周梨槃特

釈迦の弟子に、周梨槃特(しゅりはんどく)って人がいた。
頭が悪くって、ありがたい釈迦の言葉も覚えられず、修行どころのさわぎじゃなかった。
釈迦に一本の箒を与えられて、したすら掃除をするんだけど、釈迦は一向に「きれいになった」とは言わない。
ある日、汚れているのは自分の心だと気付いた周梨槃特は、ついに悟りをひらく。
この人は頭が悪すぎて、自分の名前も忘れるくらいだったから、釈迦が首から名札をさげさせるんだけど、それでも覚えられなかった。
その死後、墓の周りに見慣れない草が生えてきた。
周梨槃特が、名を荷って苦労したことから、その草は「茗荷(みょうが)」と名づけられた。
茗荷を喰うと物忘れするってのは、そこから来てるんだな。
茗荷を喰って、そうじして、名前すら忘れてしまいたいもんだ。