瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

立ちん坊

立ちん坊って仕事があった。
明治・大正の頃、坂の下に立っていて、大八車なんかが通りかかると、後押しをしてお金をもらう仕事。
とくに知識も技術もいらないし、広告・宣伝をする必要もない。
通りかかった人が困ってれば、助けるってだけ。
実際のところは、一日じゅう何をするでもなく、人待ち顔でたむろしていて、人の弱みにつけこむ仕事なんていったら、元も子もない。
仕事の基本は、自分に出来ることで、世の中に貢献するってことだから、立ちん坊はサービスの原点とも言える。
きょう日、サービスと言いながら、不必要なサービスを捏造して、過剰に押し付けてきたりする仕事が、巾を利かせる世の中だ。
過不足の無い、シンプルな暮らしを考える時、立ちん坊が妙に精神性の高い仕事に思えてくる。